守輪咲良活動日記No.13  天才ワフタンゴフの〈創りだすために学ぶ!〉

守輪咲良活動日記No.13  天才ワフタンゴフの〈創りだすために学ぶ!〉


天才ワフタンゴフの〈創りだすために学ぶ!〉

 メソード演技スタニスラフスキーシステムを基盤にしながらも、ワフタンゴフに影響を受けていることを、日本では一般にあまり知られていないのではないだろうか? しかし、ワフタンゴフメソード演技を知るうえで、大変重要な人物なのだ。ワフタンゴフスタニスラフスキーの傑出した優秀な弟子で後継者であり、システムを基盤として新しい形の演劇、演劇に真の演劇性を復活させることを考えていた。

 ワフタンゴフは、すぐれた俳優であり、演出家であり、劇団の指導者であっただけでなく、演劇教師としての特殊な才能をもっていた。
 「創造とは最高度の集中のことだ」とワフタンゴフは言う。そして芸術にすべてを捧げた彼の一回一回の授業、稽古は二度と繰り返えされない創造的行為であり、公演同様「芸術の祭典」なのだ。

 「創りだすために学ぶ!」

 ワフタンゴフのこの一言のなかに、彼の演劇教育のすべてが語られている。生徒たちは一人ひとりが自分から自主的に仕事をし、創造的な独創力を身につけるよう指導され、そこから何人もの名優が育った。スタニスラフスキーワフタンゴフについて「彼は私のシステムを教えることにかけては私以上だ」と言ったという。

 ワフタンゴフが最後に演出した「トゥーランドット姫」は伝説となった。重い病にもかかわらず決して稽古を投げ出すことのなかったワフタンゴフは、39度の熱を出しながら夜中の3時に照明の配置を終え、通し稽古を見届け、朝、すべてが終わって帰宅したあと、初日を観ることなく三十九歳という若さで亡くなった。
 「トゥーランドット姫」は大変な評判となり、絶賛された。

 ストラスバーグについて勉強していた頃の私は、当面の自分の勉強で精一杯で、メソード演技の何がどうワフタンゴフに影響を受けているのか、当時はよく分かっていなかった。年月が経った今、改めてスタニスラフスキーを勉強していくと、ワフタンゴフメソード演技に与えた様々な影響、指導法の特徴などがよく見えてきて、いたく感動したりしている。

 先に書いたことだが、ワフタンゴフスタニスラフスキーシステムを基盤としながら様々な独自の創意工夫を重ねたように、その影響を受けたストラスバーグの仕事は、システムを基盤にアメリカで独自のメソード演技を飛躍的に発展させ、優れた俳優を数多く育てた。

 (守輪咲良)

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守輪咲良活動日記No.12  限られた時間の中で

守輪咲良活動日記No.12  限られた時間の中で

限られた時間の中で
 
 ~ 3日間集中ワークショップ終了! ~

 通常のレッスンとは別にワークショップをはじめてからどのくらいになるのか・・・? 確か93年頃で、マリヴォーの「いさかい」をテキストに「マリヴォー体験してみませんか?」というワークショップが最初だったと思う。
 渋谷ジァンジァンでマリヴォーシリーズ連続上演をやっていた頃、夏に一ヶ月くらいかけて施設や劇場で発表した。その後、メソード演技の体験ワークショップになったと思う。

 もう15年くらい続けてきたことになるが、前回このブログにも書いたようにメソード演技が抱えるいろいろな誤解や問題と戦いつつ、悩みつつ、工夫を重ねながら試行錯誤してきた。限られた短い時間内でのワークショップ。〈内面からの演技〉にどう出会ってもらえるのか・・・。

 通常のレッスンには時間をかけてできた流れがあるが、ワークショップでは初めて出会った人たちとすべて一から築いていかなければならない。初日は参加者も緊張している。通常のレッスンにはない苦労があるのだが、逆に〈限られた凝縮された時間〉だからこそ発揮する力があるんじゃないかと今回気づかされた。
 
 今回は基本から台本を使用しての応用まで、かなり盛り沢山の18時間だった。その最後の方で「台本の読み取り」にまつわる役者の思い込み、解釈などの大きな問題が出てきた。これは避けて通れない! というのも今回のワークショップは、まさしくこの【〈役者の思い込みや解釈〉をなくして演ずること】という意図が裏にあったからだ。終了ぎりぎりになって、妥協なく「概念壊し」の突っ込みを入れた。最後の最後で、一人ひとりがそれまでやっていたのとは違う演技を見せてくれた。本当に嬉しかった! ただ、そのことをきちんと説明する時間がなかったのが心残りだ。

 (守輪咲良)

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ゴールデンウィーク3日間集中ワークショップ参加者募集!

咲良舎ロゴMサイズカラーゴールデンウィーク3日間集中ワークショップ参加者募集!
 ※本日5月5日が最終日です。
2009年5月3日(日) から5月5日(火・祝) まで開催。詳しくはこちらをご覧下さい。今年1月に行った前回ワークショップの様子を写真入りでご覧になりたい方はこちらへ。
 ワークショップ終了までこの記事がトップとなり、この下に記事を追加してゆきます。いよいよ明日からワークショップです。前日の5月2日に新しい記事を掲載しました。

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守輪咲良活動日記No.11  メソード演技への思い込みや誤解や無理解へのチャレンジ

守輪咲良活動日記No.11  メソード演技への思い込みや誤解や無理解へのチャレンジ

 
メソード演技への思い込みや誤解や無理解へ
のチャレンジ


 日本へ帰ってきて以来、演出や演技指導の仕事をしていて、ずうっとある種の違和感がつきまとっている。たぶんそれは、一般に日本では〈演技が芸術として認識されていない〉ことからくるものではないかと思う。とにかく集中の仕方が違うのだ。ここに大きながある。
 何より芸術としての演技に触れる機会がない、環境がないという問題が一番の原因だと思う。

 勿論、いろいろな演劇があっていいのだけれど、まず、大前提に芝居はみんなで楽しむべきものと思っている人たちがたくさんいる。断っておくが、若い人たちのことだけを言っているのではない。だから舞台のからくり、煙幕の使用など視覚的なもので楽しませてくれるスペクタクル的なものに人気が集まる。私はスペクタクルな猿之介歌舞伎も大いに楽しむので、決してスペクタクルであること自体を批判しているわけじゃない。

 そうじゃない演劇がある。俳優の演技そのものが芸術として認識され創られた演劇だ。スタニスラフスキーはもちろんのこと、ストラスバーグも演技を芸術として尊敬する信念を持っていた。ただ時代の違いで、また、幸か不幸かアメリカという映画大国でメソード演技は映像のものとばかりに思われている。古い教会のかつて祭壇だった舞台で行われていた「アクターズスタジオ」のセッションには、厳かな気持ちよい緊張感があった。真に創造的な演技に対する探求が行われ、俳優への敬意が払われていた。ストラスバーグが亡くなったあとのスタジオは知らないが。
 日本に広まったメソード演技は、感情開放を強調し過ぎて大きな誤解をうんでいる。私がマリヴォーにこだわるのも、あらためてスタニスラフスキーにこだわるのも、メソード演技へのいろいろな思い込みや誤解や無理解へのひとつのチャレンジだ。

 私が提唱している「art of living」は、勿論スタニスラフスキーの基本だ。そしてストラスバーグから教わったものだ。敢えて英語のまま使っている。〈芸術〉と書くとなにやらおこがましく、哲学じみた疎遠な印象を与えかねない。私の老婆心だろうか? もっとシンプルに、私たちは生きているし、毎日の生活のなかで、私たちの身近にあるものに〈気づくこと〉〈意識されること〉からすべてがはじまる。空や木々や人々、そして自分という存在・・・。技術以前の豊かな感性を磨いていく心がけや環境がなければ、メソードもスタニスラフスキーもこの国に根づいていかないだろう。書きたいことはいろいろある。

 なにはともあれ、明日から3日間ワークショップがはじまる。今回はどんな出会いがあるだろう? 

 (守輪咲良)

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2008年10月20日から数えて
プロフィール

sakuramoriwa

Author:sakuramoriwa
守輪咲良。演出家。演技私塾「櫻塾」代表。劇集団「咲良舎」主宰。日本演出者協会会員。一般社団法人日露演劇会議・常務理事。明治大学文学部卒。札幌市出身。

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