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連載/俳優がおちいる「演技力」という幻想 第2回「楽器」大改造

連載/俳優がおちいる「演技力」という幻想 第2回「楽器」大改造     第1回へ戻る


 「楽器」大改造


 当時の私は、演技上の本質的なことは、まだ何も分かっていなかった。
 しかし、ストラスバーグ「それだ!それだ!」と叫んだ瞬間の身体の感覚だけは、その後、長く強く私の内部に残った。問題は意識的に舞台上でその状態をつくりだすことが出来るかどうかだ。
 いったい、これから何をどうしたらいいのか・・・?
 こうして、あっという間に最初の3ヶ月が過ぎ去った。

 メソード演技を学ぶには、作品を読み、10分程度の2人での「場面」を抜粋して舞台上で実際に演技する「シーンワーク」と、もう一つ「エクササイズ」のレッスンが重要となる。
 これは、「俳優の楽器づくり」のための訓練だ。

 一般的な俳優のためのレッスンは、言葉は言葉のクラスで、声は声のレッスンで、肉体は肉体訓練というように、それぞれ別々にあるが、メソード演技「エクササイズ」では、すべてつながりを持って一つの「楽器」として訓練が行われる。
 俳優の「楽器」には、肉体、声、言葉、感情、思考、意志、嗜好、感性など、いろいろな要素がトータルに含まれるとされる。そして、良い「楽器」とは・・・? 

 「楽器」づくりには、充分リラックスされた心身が必須で、筋肉、感情、声、言葉などが余計な緊張に邪魔されず自然につながり、影響しあって、それぞれが自由になることが大切だ。
 つまり、「エクササイズ」では、心身共に深くリラックスし、感覚の記憶への集中を通して、そこにつながる声やセリフ、感情や身体の動きなどのコントロールの訓練を受ける。
 例えば、感情が高ぶると身体に力が入って筋肉が硬くなり、思うように動きにくくなるし、声やセリフも思うように出てこなくなりがちだ。感情が高ぶった時ほど、身体がうまくコントロールされ、セリフも身体の動きも自由になる必要がある。
 また、セリフは単に口だけで語られるものではない。語られる動機や人物の個性や感情の影響を受け、肉体を通って語られることで、「内面からの生きた演技」になっていく。

 「シーンワーク」中にみられる演技上のいろいろな問題は、「エクササイズ」をやっていると、「楽器」の問題であることがしだいに分かってくる。
 俳優は自分の心身の状態が客観的に分かっていなければ、どんな良い演技も繰り返すことができない。自分の演技に対しての具体的な反省もできない。何が違うのか、どう努力していったら良いのか、漠然として処置なしだ。

 あの時起きた、「シーンワーク」における問題は、台本の解釈からおこったものではなく、それ以前の俳優としての「楽器」ができていなかったことによるものだ。
 「エクササイズ」を通して、初めて心身の緊張を取り去ることや感覚への意識を働かせることを学び、やがて、「楽器」大改造へと私は向かうのであった。


  (つづく)


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2008年10月20日から数えて
プロフィール

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Author:sakuramoriwa
守輪咲良。演出家。演技私塾「櫻塾」代表。劇集団「咲良舎」主宰。日本演出者協会会員。一般社団法人日露演劇会議・常務理事。明治大学文学部卒。札幌市出身。

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